計装からプラント計装設計にキャリアアップする方法
はじめに
現場計装エンジニアとして経験を積んできたものの、
- 「体力的に現場がきつくなってきた」
- 「設計側に回って年収・市場価値を上げたい」
- 「長く働けるキャリアを作りたい」
と考える方は多いのではないでしょうか。
本記事では、現場計装からプラント計装設計へキャリアアップするための具体的な方法を、実務視点でわかりやすく解説します。
プラント計装設計とは?
プラント計装設計とは、化学プラント・発電所・製造工場などにおいて、
- 温度・圧力・流量などの計測点の設計
- 制御方式(DCS/PLC)の構想
- 計装機器の選定
- 図面・仕様書の作成
などを行う業務です。
現場作業が中心の「施工・保全」と違い、 デスクワーク比率が高く、上流工程に関われるのが特徴です。
現場計装エンジニアが設計に向いている理由
実は、現場計装経験者は設計職から非常に評価されます。
理由① 現場を知っている設計は重宝される
- 施工しづらい設計
- メンテナンス性を無視した配置
こうした問題は、現場を知らない設計者が原因になることが多いです。
現場経験者は
- 「この配置だと施工できない」
- 「ここは保守点検が厳しい」
といった実務的な視点を設計に反映できます。
理由② 計装機器の知識がそのまま使える
- 圧力計・温度計・流量計
- 制御弁・調節弁
- 各種トランスミッタ
現場で扱ってきた機器知識は、 設計業務でもそのまま武器になります。
プラント計装設計に必要なスキル
① 図面読解・作成スキル
最低限、以下の図面は理解できるようにしておきましょう。
- P&ID
- 計装フロー図
- 配線図・結線図
※作図は未経験でも、読めることが重要です。
② 制御システムの基礎知識
- DCS(横河、ABB、エマソン等)
- PLC(三菱、オムロンなど)
「プログラムが書ける」必要はありませんが、 制御の考え方がわかっていることが評価されます。
③ Word・Excelでの仕様書作成
設計職では、
- 計装仕様書
- 機器リスト
- I/Oリスト
などのドキュメント作成が多くなります。
キャリアアップする具体的ステップ
ステップ① 現職で設計寄りの業務を経験する
- 工事計画書の作成
- 機器選定への関与
- 図面チェック・修正
小さなことでも、 **「設計に関わった実績」**を作ることが重要です。
ステップ② 独学+実務で基礎を固める
- P&IDの読み込み
- メーカー技術資料の理解
- 制御方式の基礎学習
現場経験 × 理論理解の組み合わせが強力です。
ステップ③ 設計案件を持つ会社へ転職する
未経験設計でも、
- 計装工事会社
- エンジニアリング会社
- プラントメーカー
では育成前提採用が多くあります。
転職時に評価されるポイント
- 現場経験年数
- 担当した工事規模
- 使用した計装機器・制御機器
- トラブル対応経験
特に、
「現場で何を考えて判断してきたか」
を言語化できると評価が上がります。
おすすめの転職方法
プラント計装設計への転職では、 業界特化の転職エージェントを使うのが近道です。
- 計装・プラント業界の理解が深い
- 未経験設計OK求人を把握している
- 職務経歴書の書き方を指導してくれる
一般的な転職サイトだけでは、 設計キャリアは狙いづらいのが実情です。
まとめ|計装設計へのキャリアアップは現実的
- 現場計装 → 設計は王道キャリア
- 現場経験は大きな武器になる
- 事前準備+転職戦略が成功のカギ
「いつか設計に行きたい」ではなく、 今から準備することでキャリアの選択肢は大きく広がります。
専門性を高め、 長く安定して働けるキャリアを築いていきましょう。
計装エンジニアとしてキャリアを考えるうえで、
転職を検討する場面も出てくると思います。
ただし、進め方を間違えると後悔につながることもあります。
実際に多い失敗パターンや注意点については、
以下の記事で詳しくまとめています。
